短期集中連載

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2004年、RSC(レンタルカート・スプリント・チャンピオンシップ)は、MVS史上最高の大混戦の舞台となった。4月の開幕戦から9月のRd.8までの8戦で、表彰台に上がった者10人、優勝者は6人を数え、その内の5人が、後2戦を残してなお、シリーズ・チャンピオンの座に挑む権利を保持していた。 |
| 第1回 険しき頂 | |
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4月。まだ冬の白さが残るなか、2004年のRSCは幕を開けた。5年前の同じころに初めてMVSにやってきて以来、今やRSC最古参ドライバーとなったメカピロが、チャンピオン達を退け、ポッター京介を従えて初優勝。前年、10戦8勝という恐らく今後当分は塗り替えられそうにない大記録で圧勝したディフェンディング・チャンピオン風神GAKUは、なんと予選落ちの憂き目にあい、繰り上げ出走の決勝ではチャンピオンたる強さを見せたものの3位。'01年、6戦5勝でチャンピオンとなった将軍さまは、PPからの逃げきりに失敗して4位。そして予選2位だったあっくんも第2ヒートで5位に沈み、今思えばまさに、波乱のシーズンを象徴する開幕戦であった。 シリーズポイントは、ピロ10、京介6、風神4、将軍3、そしてあっくんが2ポイント。 |
| 5月。予選落ちという屈辱的な刺激をうけて、風神GAKUが目覚める。第2ヒート、驚くべき追い込みをみせたあっくんとの、野生の本能剥き出しの死闘を制しての、記憶に残る1勝。月末に行われた100miles耐久でも勝って、風神は春の山を席巻した。あっくんはラスト2周の接触が悔やまれる2位。3位には昨年シリーズ2位のネプが割り込み、今回もまた逃げ切れなかった将軍は連続4位。新鋭tsuneが5位に食い込み、開幕戦の勝者ピロは不運なトラブルで6位、京介は周回遅れの7位に沈んだ。 風神14、あっくん8、ピロ7、京介と将軍が同点の6ポイント。 |
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6月。前月の風神に続いて、初夏の山は将軍さまが制圧した。MVSのオープニング・スタッフであり、2000年からは最速最強のドライバーとして、かつては山の主とまで言われた将軍が、この月を最後に札幌を離れることになり、そのメモリアル・レースとして開催されたRd.3、Rd.4。主役は見事に連勝し、ライバル達がもたつく中、シリーズでも頭ひとつ抜け出した。第1のライバル足るべき風神は、Rd.4こそ2位を得たものの、Rd.3では自ら「捨てレース」と言わしめる5位。ピロもRd.3ではネプとのアクシデントを冷静に乗り切って2位になったものの、Rd.4では予選落ちを喫してしまう。Rd.4ではあっくんも予選突破できず、京介もRd.3で決勝に残れず、Rd.4でもtsuneにせり負けて4位。このレースでデビュー7戦目にして表彰台に昇ったtsune、そしてRSC史上最初の女性ファイナリストとなったあべっちなど、新鋭の台頭は著しかった。RSCは今や、トップドライバーでも決勝に残れる保証のない、いや、というよりは、実力の拮抗したトップドライバーが10人を超えるという、恐るべきレースとなりつつあった。 将軍26、風神22、ピロ13、あっくん11、京介9。 |
| 7月。ポイントリーダー将軍のいないレースで、夏の気まぐれな雨が演出したのは、中学生ドライバー・ポッター京介の、史上最年少の初優勝だった。あっくんもこの雨に乗じて第1ヒートを大逃げしたが、第2ヒートでは逆に雨によるトラブルに見舞われ悲運のラストラップリタイア(4位完走扱い)。これに救われた風神、ネプが周回遅れながら表彰台を得た。ピロは終盤、あべっちに抜かれて6位。14才のポッター京介の初優勝は、誰よりも多く走り込み、雨や雪も厭わず練習するという努力こそが、才能を上回るのだということを証明した。伝統の4hoursでも彼は、昨年のリベンジを果たし優勝している。 2004年の折り返し点、シリーズでは再び風神がリーダーとなった。 風神28、将軍26、京介19、ピロ17、あっくん14。 |
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8月。2004年は後半戦に突入。年に一度のグランプリを控え、その前哨戦となるはずだったRd.6は、シーズンの中でも特異なレースとなった。予選では京介、そしてあべっちが上位を占めたが、終わってみると表彰台は35才以上の熱い男達が独占した。デビューから1年、凄まじい練習周回数と試行錯誤を重ねてきた熱血漢CRG佐山ZTが初表彰台。そしてポイントリーダー風神をなんと最終ラップ最終コーナーで逆転し、スポット参戦の初代RSCチャンピオン・スピンナー宮崎が3年半ぶりの勝利を飾ったのだ。京介はPPから序盤をリードしながら4位、あっくんは6位に留まる。 そして迎えたグランプリ。1年で最も大事なこのビッグ・イベントは、1ヶ月ぶりに山に戻ってきた将軍さまが初制覇、ボーナスポイント20点を獲得して、悠々とポイントリーダーに返り咲く。その後方ではしかし、いよいよ主役たちがしのぎを削り始めていた。 第1ヒートで逃げをうって逃げ切れなかった風神を先頭に、準決勝敗退から復活してきたあっくん、初PPからのスタートだったtsune、そして京介、CRG佐山ZTの5人が、団子状態でくんずほぐれつ大バトル。いち早く抜け出したあっくんが起死回生の2位となったが、表彰台最後の椅子を巡る激闘は、ラスト3周のサウストップで、ついにアクシデントを呼ぶ。若さゆえか、ポッター京介が風神に特攻。後続のtsune、ZTがこれを避けてコースアウト、漁夫の利を得たのは、この集団から離れてひとり旅をしていたメカピロ。決してタナボタなどではなく、その冷静かつスムーズなドライビングは、堂々8ポイントに値した。風神・京介は共倒れの5位6位に終わるが、とばっちりを受けて7位のZTまでの全員が、70周の長丁場をひとりも周回遅れにならずに走り切り、現在のRSCのレベルの高さを披露した。 将軍46、風神38、あっくん27、ピロ26、京介25。 |
| 9月。北国の短い夏は台風とともに過ぎ去り、RSCはRd.8を迎えた。全10戦中、ポイントが有効となるのは上位7戦のみというレギュレーションが、チャンピオン争いに微妙な影を投げかけていた。ここまでの7レースの全てで入賞している風神はこの先、マイナスされるポイントが増えてきて、いよいよ苦しい戦いを強いられることとなる。 デビューから3年。常に「若手ナンバーワン」「次期師範代候補」と形容され、そのセンスとスピードは高く評価されながら、なかなか結果に結びつくことが少なかったあっくんだったが、今季に賭ける意気込みは例年とは違っていた。イベント以外でも練習のためだけに来山し、50周、100周と周回数を重ねた。弱点といえた予選でのモチベーションの低さを、パートナーの晴れ女とともに解消し、このRd.8では久々の予選1位、苦手のワンラップ・アタックSSも克服して見事PPをゲット。レースでも、スタートからカート入れ替えを恐れぬ全力疾走で後続をぶっちぎり、昨年のRd.2以来の優勝をパーフェクトな独走で決めた。思えば昨年、風神の独壇場となったRSCで、唯ひとり風神に土をつけたのもあっくんだったが、その風神は今回も2位。昨年は8回も勝ったのに、今季は1勝、2位が4回…彼のフラストレーションはたまる一方だ。 3位には、初優勝以来不振を囲っていた京介が久々の表彰台に登り、なんとか首の皮1枚、チャンピオン争いに踏み止まった。将軍とともにピロも今回欠場したが、彼もまだ、タイトルの可能性を残している。 将軍46、風神42、あっくん37、京介29、ピロ26。 |
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<2004RSCシリーズ・ポイントの推移>
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10月。1年の半分の間、アスファルトが雪の下に隠れてしまう北海道では、カート・シーズンは残り1ヶ月しかない。2004年のRSCも、いよいよあと2戦である。RSCのシリーズ・ポイントは優勝すると10点なので、残り2戦で獲得可能な最高点は20だ。しかし、タイトルの可能性を持つ5人全員が、20点を加算することができるわけではない。 |
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(続く)
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<最終戦に権利を残すための、Rd.9での必須条件>
*将軍が優勝した場合、その時点でタイトル決定 |
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メカピロ/ポッター京介
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・優勝し、将軍が無得点 ・優勝できなかった場合、可能性消失 |
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あっくん
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・優勝 ・2位の場合、将軍以外が優勝 ・3位の場合、将軍が5位以下、風神が2位以下 ・4位の場合、将軍が6位以下、風神が2位以下 ・5位の場合、将軍が無得点、風神が2位以下 ・6位以下の場合、可能性消失 |
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風神GAKU
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・優勝 ・2位の場合、将軍以外が優勝 ・3位以下の場合、将軍が5位以下 |
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(9/24)
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