MVS道場
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ピロマジック | タオラーキック | 蛙飛び | GAKUスピン | 家元奥義

 


コンマ1秒でも速くーMVSを極めた師範代達が自ら開発し、磨き上げた必殺技。それらは、今やMVSを攻める上ではかかせないテクニックとして、広く一般にも普級している。ここでは、その代表的なものをいくつか、紹介しよう…ただし、これを読んで、実際に真似しようとしても、一朝一夕で効果があがるとは期待しないでいただきたい。付け焼き刃ではケガするぜ(笑


 今は"幻の師範代"といわれるピロボール馬場が、まだ現役バリバリ、RECやRSCでも最前線で活躍していた頃、誰よりも研究熱心な彼により開発された、恐らくMVSでは最初の必殺技。1周のタイムアタックの際、非常に効果を発揮する。
 ラップタイムというのは、コントロールラインで計測されている。したがって、コントロールラインを通過する際の速度が速ければ、それだけラップタイムも速くなるわけだが、MVSのレイアウトでは最終コーナーから1コーナーまでの区間がとても短いため、通常どおりのラインで走行していると、コントロールライン通過速度は決してMaxではない。そこで、タイムアタックする周回の前の周を犠牲にし、コントロールライン通過速度(すなわち、アタックラップの初速)を最大限に速くしよう、というのがこの技の狙いだ。
 アタックに入る直前の最終コーナーにアプローチせず、そのまま真直ぐアウト側、ピットロードまでいってしまい、そこでスピンターンしてノーズを1コーナーに向ける。そしてそこから、一気に一直線に1コーナーまでフル加速!そのまま、アタックラップに入る。これがピロマジックだ。成功すれば、コンマ3秒は確実に短縮できる。
 ただしこの時、当然だが2コーナーへの進入速度も、通常のラップより速くなっている。ピロマジック成功、とは、この2コーナーを上手く処理できるかどうかにかかっている。なお、この技のバリエーションとして、最終コーナーでスピンターンせず大回りをして加速距離を稼ぐ「マコちゃんダッシュ」、サウストップ脱出後から蛇行して同じく距離を稼ぐ「大須賀スネーク」がある。
 ちなみにこのピロマジックという名称の由来だが…ピロボール馬場がこの技を開発するため、猛特訓していた時のこと。最終コーナーを真直ぐいって、スピンターンを試みた次の瞬間、彼の姿が忽然と消えた!…砂にのってコースアウトし、生い茂っていた草むらに飛び込んでマシンもろとも見えなくなってしまったのだ。見ていた人たちはおもしろおかしく「マジック」と呼んでいたが、その後もピロボール馬場は、何度も何度も挑戦し、そのたびに草むらに飛び込んでいった。そして、技が完成し、その真の目的が明らかになって以降、みながそれを真似するようになり、今では最もポピュラーな、必殺技の代名詞といえるまでになった。かように、なにごとも新しいチャレンジには、困難とそれを克服する努力がつきものなのである。そして、独自の発想でこの技を思い付き、嘲笑をものともせず開発に心血を注ぎ、みなが真似するほどに完成させたピロボール馬場の偉業は、永く後世に語り継がれるであろう…たとえ幻になってしまっていても。


 ピロマジックが予選・T.T.専用の技なら、このタオラーキックはレース用に特化した必殺技である。
 レースとは、先頭にいる者が勝つという競技である。チェッカーまでに前を行くライバル達をオーバーテイクし、トップに立てばいいわけだが、このオーバーテイクというのは、どんなときでも少なからずリスクを伴う。スタートからトップに立ち、そのままチェッカーまで一人旅。一般的にはこれが、もっとも安全な理想のレース展開といえるだろう。
 このスタートダッシュを最も得意とするのが、タオラー太田こと太田師範代である。以下は、そのロケットスタートの必殺技、"タオラーキック"についての、なんと太田師範代本人による、たいへん貴重な技術解説である。


 タオラーキック
 (1) リラックスして席に腰掛け、自然にステアリングを握りましょう。
 (2) 左足をブレーキに、右足をアクセルに。
 (3) ブレーキペダルは左足人差し指第2関節で操作します。
 (4) アクセルペダルは右足親指第1関節で操作します。
 (5) キーは右手で操作しエンジンを始動します。
 (6) スタート準備までに行うレーシングは10回までにしましょう。スタート時のピックアップに影響します。
 (7) オフィシャルが日章旗をいじり始めたら、オフィシャルの一挙手一投足から目を離してはいけません。
 (8) オフィシャルがスタートライン右端に移動を始めたら、左足人差し指第2関節にソフトに力を入れ、ブレーキペダルを最大まで踏み込みます。
 (9) ブレーキの効きが身体に伝わると同時に、右足親指第1関節で思いっきりアクセルペダルを踏み込みましょう。このとき躊躇せずに一気に踏み込むことが肝要ですが、それと同時に車体が前進しない程度にトルクを抜くことが大切です。
 (10) オフィシャルが日章旗を頭上に掲げた瞬間一瞬スロットルを抜きます。この操作はオンオフといったデジタルなものではなく情緒的なものですが、次の段階のためにはどうしても必要な操作です。どの程度抜くのかはスタート練習をするなどして身につけるしかないと思います。因みに、自慢じゃないですが、オレは初めてのレースの時からこの操作を奇跡的にも無意識で行っていますので、理屈で会得しておらず、説明は困難です。
 (11) 日章旗が振り下ろされる瞬間、抜いた分だけアクセルペダルを踏み込むと同時に、ブレーキペダルをリリースしてください。順番はアクセル、ブレーキですが、タイムラグはほとんどありません。
 (12) 「睨み」ですが、これは、上記のスタートを決めれば間違いなく周りのクルマよりも加速が鋭いはずですので、真っ直ぐ進んでは進路がありません。自分より前にいるクルマがスタート直後にどのように動くのか予測し、見極めるために、全車の挙動を視界の中に捉えておく作業です。ポールポジションの時にはアウト側にいる2位のクルマに注意する意味も込めて、メンチを切っておくことが大切です。「オレより前に出ようって、それは穏やかじゃないねぇ」と。

 本人はbbsでも、「たいしたことじゃない」みたいに言っているが、スタートという、まさに一瞬の刹那に毎回見事に必殺技を決めるその集中力は、やはり素晴らしい。これほどの技をもっている彼が、現在では第一線を退いてしまっているのを残念に思うのは、私だけではないであろう…まだ若いのに(笑


 この必殺技は、必ずしもMVSオリジナルという訳ではないかもしれない。タックイン安部が、本気でアタックしている時にシートの上でピョンピョン飛び跳ねる、あれである。カートという非力なレーシングマシンでは、ドライバーの体重が全重量に占める割合いが非常に大きい。シートの上でジャンプして、たとえほんの一瞬でもパワーウエイトレシオを軽減させれば、スピードもアップするのだ。その為、タックイン安部に限らず、みんなストレートなどで必死にピョンピョン飛び跳ねる。それが、蛙飛び…
 と思っているなら、それは大間違いである。師範代がくり出す必殺技とは、そんななまぬるいものではない!
 レンタルカートは通常、遠心クラッチのついたスクーター用のエンジンを使用している。MVSのスーパーFK9も、その例にもれない。実はこの遠心クラッチというのがくせもので、低速から高速へシフトアップする瞬間というのは、非常にファジィな動きをしているのである。低速コーナーを脱出し、加速していくと、エンジンの音が一瞬低くなり、遠心クラッチがシフトアップして、高速への加速を始める。この、シフトアップの瞬間、というか直前に、エンジンへの負荷を一瞬軽減させてやると、シフトアップは通常よりも短時間で行われ、より早くスムーズに加速していくのだ。タックイン安部がシートの上でジャンプするのは、まさにこの瞬間である。
 レースのときなど、多くのドライバーがこれを真似して、ピョンピョン飛び跳ねている。だが実際、その真の目的を理解し、正しいタイミングで駆使しているのは、恐らくこのタックイン安部くらいであろう。その他のドライバーがいくら一生懸命ピョンピョン跳ねても、それは体力の浪費でしかない。もしそれでタイムが短縮されているとしても、それはただの精神的タイムアップに過ぎないだろう。
 必殺技たるもの、見よう見真似でものにできるほど甘くはないのである。


 MVS道場師範代ともなれば、ただ速く強いだけではその職務を全うしているとはいえない。というか師範代である以上、速くて強いのはあたりまえ。要求されるのは、さらにプラスアルファ、見ているものを楽しませるパフォーマンスである。
 普段の練習でたまたま師範代と居合わせた一般の方は幸運である。MVS道場師範代の華麗なデモランを見ることができるのだ。中でもこの、風神GAKUこと佐々木師範代のデモランは、一見に価するだろう。
 貴重な、師範代のデモランである。ピットを出てすぐのインラップから、見のがしてはいけない。風神GAKUの場合、とりあえず最終コーナーのアプローチに注目してみよう。運がよければ、彼だけが駆使する幻の必殺技を見ることができるだろう。
 インラップ、冷えたタイヤを暖めるためバックストレートまでウエービングをくり返し、サウストップから全力疾走が始まる。そして最終コーナーのブレーキング。テールが鮮やかに振り出され、マシンはクリップに向かって、大きなドリフトアングルで…あれ?!テールスライドが止まらない?そのまま180度ハーフスピン?!
 そう、これが風神の必殺技、GAKUスピンだ(笑)遠慮なく笑ってやって欲しい。これに、深い意味などなにもない。風神GAKUは、受けを狙ってわざとスピンしているのだから…え?ほんとかよって?いや、本人がそういうんだから間違いあるまい。深くは追求しないのが、師範代に対する礼儀だ(笑
 まあ可哀想なので、少しはまじめな事も書いておこう。MVSを攻略するうえで、最も難しいのが、このブレーキングによるアングルのつけかたである。GAKUスピンをくり返すことにより、自然とその微妙なタッチ、左足のコントロールが身についてくる。おお、こういうふうに書くと、なんか必殺技らしくなってきたぞ?つまりGAKUスピンとは、練習をより効率的に行うための、MVSいち練習量の多い風神GAKUならではの必殺技だったのである!だから実戦では使わないようにね。


 この必殺技こそは、まさにMVSオリジナル、というかMVSでしか通用しない、MVSスペシャルの必殺技である。コースの高低差、アスファルトの歪みやギャップ、MVSスーパーFK9の特性といった、スタッフじゃないとなかなかわからない秘密を駆使し、最大限に利用したこの必殺技は、1周はもちろん連続周回でのタイムアップ、レ−ス中のバトル、後続を抑えるにも、先行者をオーバーテイクするのにも有効な、万能究極の必殺技だ。開発したのはおれだが、着想から特訓、完成までに半年を要した。というか未だ完璧ではない。成功率は60%だし、非常に体力を消費するので1日に使用できる回数は限られている。…う〜む、なんて必殺技らしいんだ!
 その全貌は、当HPのcourse>スタッフルームにある、「跳ね象のMVS攻略メモ」において公開しているので、詳細はそちらをご覧いただきたい。
 ほんとにそんな必殺技あんのか?と思ったひと。タイムアタックやレースのとき、よく使っているので見てみなさい。一部、すでに真似してる人もいるみたいだけど。

 

 

 

 

 

 

 

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